面白い電子書籍と関連サイトを見つけました。
運送業を営む著者が仕事をもらうために、荷主予定の会社の仕事を手伝ったり、新商品のセールスお手伝いのために毎日100軒の営業訪問を繰り返したりしながら悪戦苦闘したりした経験と、それなのに結局は仕事をもらえなかったという反省からの成功体験物語です。
どんな要望にも全力で応える、という姿勢を見せていれば、いつか誠意が伝わって、利益の出る便をまわしてもらえると考えていた。
【出典:トラック20台以下の運送会社が適正運賃で優良荷主を獲得する方法 アマゾン電子書籍】
セールスレターは1%の人に話しかける
この本の最初の方に、
どんなに飛び込みセールスをしても、話を聞いてくれるのは100人に一人だ、
運よく(この会社が運送会社なので)配送を探していたというようなお客さまに出会えるのは非常に稀(まれ)なコトだ、
との投げ掛けがあります。
そこからのアドバイスは、
いきなりセールスなんてやるからダメなんです、まずは集客です。
セールスレターで集客、そしてセールスまでしてしまえば、電話がかかってきた時には、連絡があった時にはセールスすら完了している、という発想をしましょう、というものです。
まさに、「キモ」ですね。
自分も反省しきりです。
経営資源の少ない中小の運送会社が、適正運賃で荷主を獲得するためのノウハウが、セールスレターだということです。
面白いことに現実の荷主候補の会社に郵送でセールスレターを送付して顧客開拓したというノウハウです。
今でいうネットでの集客、ランディングページ(LP)という仕組みにも十分に使える内容かと思います。
セールスレターの書き方講座
セールスレターの書き方の基本は、部品を集めて、それを組み合わせてつくりあげるというものです。
その部品というのが・・・
1.キャッチコピー
2.代表者の写真
3.権威の推奨や証拠の写真
4.お客様の声
5.あなたの会社のUSP※
6.車両や現場の作業写真
7.オファー
8.アクションワード
9.レスポンス・デバイス※※
10.署名
11.追伸
となっています。
セールスレターを書くと決めたらまずは部品を集めることからスタートです。
※USP・・・ユニークセリングポイント(またはユニークセリングプロポジション)・・・他社にはない「売り」=強み。
※※ズバリ、電話番号や具体的な地図など「アクションワード」を受けての連絡先のことです。メールフォームも入るかと思います。
自分の会社の特徴を100個書きだす!
表記のとおり自分の会社のことを100個書きだしなさい!と求めています。
これには「恐れ入りました」という気持ちです。
なるほど、ここまで自分の会社の商品なりサービスなりを客観的に見つめ直さないとダメですよ、という指摘・アドバイスです。
100個出したらセールスレターの8割は完成だそうです。
騙されたと思って、忠実に、素直に、やってみる価値大です。
まあ、普通の人には簡単には100個は出ません。
そのヒントとして・・・テーマ分けしましょうと言っています。
社歴、社長について、従業員について、車両について、お客様について、取り組んでいることについて・・・などなどです。
なるほどですね、確かにテーマ分けしたらいろいろと出そうです。
特徴からお客さまにとってのメリットに変える!
まさに、USP(ユニークセリングポイント)ですね。これを見つけ出しましょう、そこからキャッチコピーを抽出しましょう、ということです。
こんなケースを事例として挙げています。
「当社は若い従業員が多いです」⇒「元気です」
⇒「その元気さが荷主さんにも伝わります。影響します」
⇒「荷主さんの仕事場の雰囲気が良くなったりします」
⇒「荷主さんの評判アップ、売上アップにつながったりします」
というような具合です。
なるほどね、と思ってしまいます。
まさに、相手にとってのベネフィットです。
アクションワードは、「今すぐお電話ください」といったお客さまに行動を起こしてもらうための、アクションしてもらうための言葉です。
レスポンスデバイスとは、電話番号やメールアドレス(リンク)です。
お客さまは面倒くさがりや屋さん、ということは忘れないようにしたいものです。
つまり、ここまでしてあげないと行動しない、ということですね。
電話くださいと相談ください
「興味のある方は、お電話ください」と「興味のある方は、何なりとお問い合わせ(ご相談)ください」とでは、どう反応が違ってくるか、ということの検証結果についての話もあります。
これは、私も勘違いしていたようです。
どうぞいつでもお気軽にお電話ください、の方がマイルドでいい感じ、と思っていましたが・・・
ダイレクトに「お電話ください」の方がレスポンスが5倍もいい、と強調しています。
う~ん、難しいですね。現実としては、そんなものなのでしょうね。
素直にアドバイスを受け入れてやってみることがいちばんだと思います。
あと、テクニックとして1文は3行以上はダメ、小学5年生が理解できるレベルにする・・・など、基本中の基本といった話や、実際にセールスレターを封筒に入れて宛名を書いて発送する段階までの細かいテクニックまで紹介されています。
実際に行ってきたことの経験による裏付けからの話ですから説得力があります。
現実問題として運送業を営んでいるなら、そして優良な荷主を獲得したいなら、試してみてもいいかも知れません。
または、自分の業種にも応用してDMでのセールスを試してみるのもありかと思います。
セールスレターを読んでもらうためのマインドセット
経営者や業務の担当者の手元に届いた郵便物としてのセールスレターを読んでもらうための心構え的な話も記載されています。
忙しい読み手が読み進めてもらうためには、どうすればいいか?
読み手が、自分にとって得になりそうだ、と感じてもらうことを意識する、つまり相手が読むことで得られるベネフィットが何といっても重要ということです。
以前読んだコピーライティングの本の中に、キャッチコピーの最初の1行は、次の行を読んでもらうためのもの、
そして、その次の行は、さらにそれから後の行を読んでもらうための役割がいちばん大事だ、と書かれていた本のことを思い出しました。
(その本の個別具体的な内容紹介は、また別の機会に)
まさに、その通りですね。
読み手は、あなた(書き手)のことには興味がない。
興味があるのは、自分のことと、自分の会社のことだけ
常に忘れないようにしたいものです。
まとめ
著者は、運送会社の仕事から今は軸足をコンサルタントに移しています。
その指導を受けた運送会社がどんどん成果をあげているようです。素晴らしいですね。
本の巻末にある著者プロフィールを読むと・・・東南アジアに活動の拠点を移して講演の時だけ日本に帰国するというライフスタイルのようです。
いろんな人生が、いろんなやり方があります。そしてそんなライフスタイルを結果として送るのに、決まったやり方はない、というのが人生創造の極意というか、自分で人生を(まさに)創造するということなのでしょう。
結論的には、ネットビジネスだけにかかわらず、どんなビジネスやどんなことにおいても「もがいてみる、チャレンジしてみる、まずは一歩踏み出してみる」ということから始まるのだと思います。
自分の潜在意識が反対意見(思い・考え)を言う前に、言った時でも、恐怖心を持ち出してきても、まずはその恐怖を打ち消してスタートしてみることが本当に大切なのだと思います。
よく成功者が「自分を信じて」という言葉を体験談的に話しているのを見たり聞いたりしたことはありませんか。
まさに、その世界の話です。
自分を信じて行動した結果が、今ということにつながるのだということの素晴らしいケーススタディでもあると言える一冊でした。